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「留学生」という名の奴隷労働者たち2   ブローカーの嘘と日本語学校のボッタクリ  出井康博

「日本語学校はアルバイトの紹介料として2万円を要求してきました。紹介料が必要だとはブローカーは何も聞いていませんよ!」フーンさんは私が伴っていたベトナム人通訳に向かい、母国語で怒りをぶちまけてきた。日本語学校が有料で職業紹介をすることは違法だが、留学生の無知につけ込んでいるのである。

紹介料の支払いを拒否したため、彼女にはアルバイトが見つからなかった。アルバイトもせず生活していると、ベトナムから持参した7万円がどんどん減っていく。3カ月もすると、所持金はわずか「2000円」しかなくなった。そこで観念し、フーンさんは2万円の紹介料を支払い、日本語学校が紹介するアルバイト先で働くことにした。

◆深夜勤務掛け持ちで借金返済と学費稼ぐ

アルバイト先となったのは、コンビニやスーパーで売られる弁当の製造工場だ。留学生のアルバイト先と聞けば、コンビニや飲食 チェーンなどを思い浮かべる方も多いかもしれない。だが、来日して間もない日本語の不自由な留学生には勤まらない。そのため彼らは、語学力の要らないアルバイトに就く。コンビニ弁当の製造工場、宅配便の仕分け現場、新聞配達といった夜勤の肉体労働が典型的だ。いずれも日本人が嫌がって寄りつかない最底辺の仕事ばかりである。

フーンさんは週3日、コンビニ弁当の製造工場で働き始めた。勤務時間は夕方5時から翌朝3時までの夜勤である。時給は22時までが900円、以降は深夜手当がついて1120円と、工場のある埼玉県の最低賃金をわずかに上回る程度に過ぎない。実働9時間で1日9000円。1カ月働いても11万円ほどにしかならなかった。

ブローカーが言っていた「月20万—30万円」には程遠い金額である。もちろん、「月11万円」でも生活はできる。だが、フーンさんには借金の返済がある。加えて、翌年分の学費も貯めていかなければならない。彼女は2つ目にアルバイトを探すことにした。

留学生のアルバイトには、法律で「週28時間以内」との規定がある。しかし、守っていれば日本での留学を続けることは難しい。フーンさんに限らず、借金を背負い来日する留学生に共通する悩みである。

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