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元朝日記者家族へのツイート脅迫で賠償が確定 「執念の裁判」と弁護団

従軍慰安婦についての記事を書いた元朝日新聞記者を父に持つ当時17歳の女性が、ツイッター上の書き込みで精神的な苦痛を受けたとして、書き込みを行った男に損害賠償を求めた裁判は、8月19日までに被告が控訴しなかったため、慰謝料など170万円の支払いを命じる判決が確定した。(アイ・アジア編集部)

裁判で会見する原告の父親で元朝日新聞記者の植村隆さん

裁判で会見する原告の父親で元朝日新聞記者の植村隆さん

この裁判は、従軍慰安婦問題に関する記事を書いた元朝日新聞記者の植村隆さんの娘で、当時17歳の女性が、2014年9月にツイッターに自身の顔写真や誹謗中傷の投稿をされて名誉を棄損されたとして、投稿主の中年男性に損害賠償を求めていたもの。

8月3日に開かれた判決公判で、東京地裁の朝倉佳秀裁判長は、男のツイートについて「原告のプライバシーや肖像権を侵害する違法なものであることは明らか」とした上で、「原告の父がその仕事上したことに対する反感から未成年の娘に対する人格を侵害したものであってその行為様態は悪質で違法性が高い」と認定。

そして、原告の主張通り170万円の支払いを被告に命じた。これについて被告が期限までに控訴しなかったことから判決が確定した。原告弁護団は、被告に対して170万円の請求手続きに入ったという。
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◆ツイートした被告の特定に1年

原告弁護団によると、この裁判を起こすまでに1年かかったという。困難だったのは被告の特定だ。ツイッターへの書き込みは匿名で行われており、当初は被告を特定できなかった。このため、まず、弁護団はプロバイダー法に基づきツイートした人物の特定手続きに入った。その結果、米ツイッター社に昨年の3月23日、経由プロバイダーの開示の仮処分の申し立てを東京地裁に行い、6月15日開示命令がでた。

その後、経由プロバイダーに対して任意の開示を要請したが不可能との判断が下されたため、12月3日に被告の住所、氏名の開示命令を求める訴状を出し、今年の2月4日、被告の住所氏名の開示命令の判決が出た。これらの手続きに1年がかかり、その結果、提訴が実現したという。弁護団の1人は、「弱い者を守るための執念の裁判だった」と話した。

判決の意義について弁護団は以下のコメントを出している。

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